フィンランド・ヘルシンキの玄関口のホテルSCANDIC GRAND CENTRAL HELSINKI

東京の玄関口にある東京ステーションホテルは、今年2025年に開業110周年を迎えます。
今回は、その東京ステショーンホテルのような立地にある、フィンランド、ヘルシンキ中央駅に隣接するSCANDIC GRAND CENTRAL HELSINKI ホテルを紹介します。

2021年に開業したSCANDIC GRAND CENTRAL HELSINKI は、かつては鉄道の管理事務棟でした。フィンランドの建築家、エリエル・サーリネン(Eliel Saarinen)が、この管理事務棟も隣接するアールヌーボー様式のヘルシンキ中央駅も設計しました。
管理事務棟は1909年に開業しましたが、ヘルシンキ中央駅は、その10年後の1919年にが開業しました。これは、1914年にはじまった第一次世界大戦で建設工事が大きく遅れたためです。

ホテルの建物は、1909年に建てられた管理事務棟部分、1936年完成した部分、新しいビル部分の3パートで構成されています(写真「2階の平面図」参照)。

ホテルには491部屋もの客室があり、駅のホームと平行に150mもの長く続く廊下は圧巻です。
建物は、フィンランド遺産庁によって保全されています。

1909年に建てられた管理事務棟部分の客室からは、これから地方都市へ向かうために停車しているVRの電車や、ヘルシンキに入線する電車を見ることができます。

柱、階段の手すり、壁画の配色とパターンは、サーリネンの典型的なスタイル
2階のサークル状のロビー。VRの前身のフィンランド国鉄理事会の重役の事務所のための1909年当時の看板。当時の取締室は現在、会議室として使われています。会議室にはサーリネン自身や家族の名前がつけられています。この会議室名はサーリネンの息子のエーロ(EERO)
レセプションエリア。もともと鉄道会社の会議場でした
バーエリアはかつて、鉄道の交通を管理するためのオペレーションセンターでした
女性用トイレ内。当時の木製ドア。男性用の便器は、当時のものを丁寧に修復しているようです
トイレ;当時の真鍮の鍵
VRの食堂へのショートカットとして使われていた階段
かつて使われていたエレベーターでしょうか
1909年に建てられた管理事務棟部分、上階にあがるにつれて天井が低くなります。3階の客室は天井が低いのでしょうか???
新しい円形の建物と右側に1936年に完成した建物
ホームと平行に長く続く廊下
左の写真の長い廊下突き当たりから眺められる光景(2023年1月)
駅に隣接したホテル。2階から電車が見えます
宿泊したお部屋2007号室
部屋からホームが見えます。音はきにならずぐっすり安眠できました
天井が高い!
1919年運用が開始したヘルシンキ中央駅。右に見えるのは時計塔で2023年8月20日、エリエル・サーリネン生誕150年を祝して、はじめて午後3時に15回音が鳴りました
日本の玄関口、東京駅。1914年竣工、「日本近代建築の父」と呼ばれている辰野金吾による設計
参 考

『SELF-GUIDED TOUR SCANDIC GRAND CENTRAL HELSINKI』
PÄÄRAUTATIEASEMA
 https://paarautatieasema.fi/info/historia
ITA SANOMAT
 https://www.is.fi/menaiset/ihmiset-ja-suhteet/art-2000010809085.html

コメント

  1. よししん より:

    駅に隣接とは、〝鉄っちゃん〟には垂涎の的ですね。
    それにしても、素敵な建物。「駅のホームと平行に150mもの長く続く廊下」って、凄い!

    • よししんさん、コメントありがとうございます。
      フィンランドにも、鉄っちゃんはいるんでしょうかね???

    • フィンランド人の友人に、フィンランド人に鉄道オタクはいるのか質問したところ、
      「いない」そうです。ただ、蒸気機関車を写真に撮る人はいるようです。
      昨年9月から今年の1月までテレ朝の『世界の車窓から』という番組で、フィンランド周遊を放映していました。
      そこで蒸気機関車が停車しているハーパマキ駅を紹介していました。