フィンランド、ヘルシンキの刑務所ホテル

フィンランド、ヘルシンキのアール・ヌーヴォー建築の建物が建ち並ぶカタヤノッカ地域に、刑務所を改装したホテル、ホームカタヤノッカホテル(Home Hotel Katajanokka)があります。
高く積み上がった赤レンガの塀は、そこがかつて刑務所であったことを思い起こさせます。

ホームカタヤノッカホテル(Home Hotel Katajanokka)の玄関
高く積み上がった赤レンガの塀

建物の歴史

フィンランド初の刑務所であるヘルシンキ中央刑務所は、1749年にカタヤノッカ地域に建てられました。
建物は木造でのちに火災で焼失しました。
そのため、1800年に刑務所跡地に、2代目の刑務所が建設されました。

1809年にスウェーデンはロシアに戦争で負け、フィンランドの統治を失いました。
ヘルシンキはフィンランドの新しい首都となり、皇帝ニコライ1世は1832年、旧王室刑務所の隣に石造りの新しい刑務所を建設する許可を与え、1837年にヘルシンキ刑務所が完成しました。

完成当初建物には、12の独房と2つの看守室があり、教会もありました。
教会は当時、ヘルシンキで2番目に古い教会でした(一番古い教会はOld church:Vanha Kirkkoです)。

フィラデルフィア様式

1880年代の終わりに、刑務所の拡張が必要になりました。
1888年に赤レンガ造りの3つの新しい翼棟が完成しました。
この増築部分は後期ゴシック様式で、1800年代にアメリカで開発されたフィラデルフィア様式です。
増築部完成後、旧建物は管理棟として使用されるようになりました。

フィラデルフィア様式は、当時、刑務所としてはとても近代的で、中央の開放的なホールから細長い廊下が伸び、廊下の両側に独房が並んでいました。
この独房が、今の客室に改装されました。

客室
カーテンをあけると高い位置にも窓がある
モダンな内装
階段の天井は低く、窓には格子がはめらている
1888年に増築された3つの新しい翼棟
日本の温かい便座に慣れているので、海外に行く際には100均の便座シートはかかせない
赤レンガの翼棟部分
赤レンガの高い塀とトラム。4番のトラムVyökatuが最寄り駅

現 在

ヴァンター刑務所の完成に伴い、2002年にヘルシンキ刑務所は刑務所としての役割を終えました。
その後、大規模な改修工事が行われ、2007年5月にホテルとしてオープンしました。

客室は天井が高くモダンな内装ですが、窓の位置が一般的なホテルの客室の位置についていません。
開放的な窓とはほど遠く、監獄であった名残りが垣間見られます。

宿泊料金のなかには朝食と夕食、プチアフタヌーンティーまでついています。
朝食、夕食はビュッフェスタイルです。
メニューは種類も豊富で、野菜からお肉料理、スープとお腹いっぱいになります。

フィンランドを代表するブランドMarimekkoのボーダーTシャツを着て、囚人気分を味わいに訪れてみてはいかがでしょう。

当時の独房も見ることができるようなので、再訪することがあればスタッフにお願いしてみようと思います。

アフタヌーンティー。お茶の種類が豊富
アフタヌーンティーのチョコレートケーキ
ジャガイモがメインのフィンランド風グラタン、ペルナラーティッコ
ミートボール
囚人気分を味わえるステンレス製のカップ
モダンな内装のレストランエリア。この場所は競争率が高いので、座れると運がいい。朝は早めに行くとよいでしょう
奥は大衆食堂のよう

ホームカタヤノッカホテルのように、監獄を改装したホテルは日本にもあります。
今年6月にオープンする星のや奈良監獄です。
約5㎡の独房をぶち抜き客室にして、全48部屋がすべてスイートルームだとテレビで紹介されていました。
お値段もそこそこでいつか泊まることができるといいのですが……。

ホームカタヤノッカホテルは、中心地から離れた場所にあります。ヘルシンキを訪れるのが何度目かで、少し変わったホテルに泊まりたい、ゆっくりしたい! という旅行者向けのホテルです。

Home Hotel Katajanokka
Merikasarminkatu 1 A 00160, Helsinki, Finland
https://homekatajanokka.com-hotel.website/

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