開高健が魅了された地 ー 奥只見・銀山平
歴史を引き継ぐ尾瀬十帖
銀山平温泉のログハウスは魚沼市に帰属し、委託されたオーナーが運営しています。
そのなかのひとつ、後継者問題を抱えていた村杉が、尾瀬十帖を運営している自遊人に、
「利用可能かどうか検討していただけないだろうか」
という手紙を送ったことから、尾瀬十帖が誕生したそうです。結果として尾瀬十帖は、村杉とその隣の白光を引き継ぎました。
村杉は、釣りを趣味とした作家の故開高健氏が滞在した宿としても有名です。
奥只見・銀山平の自然
銀山平温泉は、越後駒ヶ岳や荒沢岳などの山々に囲まれています。冬は5、6mの豪雪に埋もれる地域です。また、冬期は道路が通行止めになるため、人の立ち入りもできません。およそ半年間は、人の手の入らないありのままの自然の姿となります。
1960年代、銀山湖(奥只見湖)では、モンスター級のイワナやニジマスが目撃されましたが、釣りブーム時の乱獲などで魚の数は激減しました。銀山湖に注ぐ北ノ又川では、産卵のために回遊する魚の姿が見られなくなりました。
1975年、魚を甦らせるために「奥只見の魚を育てる会」が発足し、会の発起人である常見忠氏、秋月岩魚氏に依頼された開高氏が会長を務めました。
開高氏や地元の人々の活動で、1981年、国の「水産資源保護法」に基づく「新潟県内水面漁業調整規則」に、北ノ又川が指定されました。そして、石抱橋より上流が、保護水面・永年禁漁となり、乱獲を防いでいます。
また魚沼市は、銀山平を動植物等保全地区に指定し、動物、チョウ類・トンボ類の捕獲や、山菜の採取を原則禁止しています。
尾瀬十帖
1)尾瀬十帖の概要
尾瀬十帖は、2024年7月後半にグランドオープンする予定の宿泊施設です。2024年4月20日にプレオープンしました。
プレオープンということで、バーラウンジを併設したレセプション「KAMABOKO」や薪サウナと露天風呂のある「sauna & spa 」スペースはまだ未完成でした。
薪サウナは、ホームページによると、水着で入る男女混浴スタイル、ヴィヒタ*もあるそうです。薪サウナ に ヴィヒタときたら、フィンランドですね。
ログハウスNo.1、2には、サウナが設置されます(サウナ付きヴィラスィート)。最大5名まで宿泊可能。No.6は、ワンちゃんと過ごせるログハスに(ペットフレンドリーヴィラスィート)、No.3〜5はサウナ無しののログハウスで、最大6名まで宿泊可能です(ヴィラスィート)。スタンダードルームには、クイーンサイズのベッドが1台。2人でも宿泊できますが、想定は1人での滞在客です。
*ヴィヒタ:白樺をブーケ状に束ねたものでからだをと叩くと、発汗と血行促進になるらしい。
2)尾瀬十帖に到着
4月中旬を過ぎたというのに雪化粧した山々と、残雪景色の銀山平温泉の丸太小屋群は、まるで異国にやって来たかのようでした。
チェックインは、案内されたログハウスの中できました。
レストラン棟の「レストラン青山緑水」では、ウエルカムドリンクとスイーツでおもてなしをいただけます。レストランで目に入ったのは、松の木の枝やレモンを入れた瓶、発酵させて炭酸水を作っているそうです。
3)ヴィラスィート ルームツアー
宿泊したヴィラスィートは、3階建てのログハウスでした。
階段をあがり2階が玄関、リビングルームが広がります。その隣の部屋には、大きなベッドが2台と大容量の収納を備えた寝室があります。枕側の窓だけにロールスクリーンはありましたが、1〜3階のほかのどの窓にも、カーテン類がとりつけられていません。朝日とともに目覚めるのが尾瀬十帖スタイルでしょうか。もしも明るさが気になる方は、アイマスクを持参したほうがよいかもしれません。トイレもこの階にあります。
3階にあがると、からだをあずけられるソファが置いてあるロフト。そして、琉球畳サイズの畳を敷いた和室があります。リビング横の階段を降りると、清潔感ある洗面所とシャワールームがあります。
家具などは、北欧を感じさせるものが多かったです。
セイフティーボックス、IHコンロ、電子ケトル、タオルウォーマー、ドライヤーが完備。冷蔵庫の中には、ビール、水、手作りの? レモンジンジャーハニー水? があらかじめ冷やされています。レモンジンジャーハニー水が格別においしかったです。ティーバック3種類(有機ほうじ茶、有機玄米茶、有機煎茶)もありました。
小腹が減ったときにつまめるおせんべいや、素朴な味のクッキーとサツマイモのお菓子も用意されていました。レストラン棟内にも、コーヒーサーバーや、ビスコッティ、ナッツ類、ドライジンジャーが自由にいただけます。お菓子類はシェフの手作りでしょうか。
また、星空やバードウォッチングを楽しめる双眼鏡もありました。懐中電灯、ベープマット、カメムシ捕獲用のガムテープ、スリッパの用意もあります。ログハウスに宿泊の方がレストラン棟に行く際には、懐中電灯が役に立ちます。外は真っ暗です。
ほかには、竹の歯ブラシ、オーガニックのバスタオル、フェイスタオル、オーガニックの部屋着、羽織、クレンジング、化粧水、ミルク、ハンドソープ、シャンプー、リンス、コンディショナー完備。2階のトイレ横にも大きな洗面台があるので、滞在中ほとんどシャワー室の洗面台は使いませんでした。
内湯や白銀の湯に行く際には、シャワールームの洗面台下にあるバスケットにタオルなどを入れて、でかけられます。
玄関には、長靴とサンダルも準備されていました。
ログハウスとレセプションとの連絡は、寝室にあるタブレットを利用します。もしも充電コードを忘れても、タイプCであればこのタブレットのコードが使えます。
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