
aarikka(アアリッカ)は、フィンランド人のカイヤ・アーリッカ(Kaija Aarikka:1929-2014)と夫のエリッキ・ルオコネン(Erkki Ruokonen)が1954年2月24日に創立した会社です。昨年70周年のアニヴァーサリー・イヤーでした。まもなく71歳の誕生日を迎えます。
アアリッカとえいば、私は、丸いフォルムの木製のトントゥの人形をイメージしますが、なんと、ボタンがそのはじまりです。
アテネウム美術館の工科芸術学校でテキスタイルを学んでいたカイヤは、自身がデザインしたウールの洋服にあうボタンをみつけることができず、自分でつくることにしました。このことをきっかけに、ジュエリーの製作もはじめ、1954年2月24日にアアリッカが誕生しました。
ちなみに、カイヤ・アーリッカの誕生は1929年2月3日で、アルヴァ・アアルトの誕生日は、1898年2月3日と同日です。31歳違いですね。
アアリッカのアイコニックな丸いフォルムに、カイヤははじめから魅了されていました。ボタンや木製のジュエリーに続いて、シルバージュエリー、キャンドルホルダー、おもちゃ、インテリアと、商品が次々と生まれていきました。
創業者のカイヤ・アーリッカのあと、娘のパウリーナ・アアリッカ(Pauliina Aarikka)がデザインをリードしていきました。社内デザイナーに加えて、多くのゲストデザイナーも参加しました。このなかには、エリエル・サーリネンの息子エーロ・サーリネン(Eero Saarinen:1910-1961)もいました。
次からの写真は、2023年9月9日から2024年1月7日までフィンランド、ヘルシンキにあるTaide Haaliで行われたカイヤ・アーリッカ展で撮影したものです。
新旧のアアリッカ商品が数多く展示されていました。圧巻だったのは、身長160cmの私の背をはるかにこえるヤギの人形です。

「新しい夏のアクセサリー
…と
ボタン」



Taide Haaliのホームページでは、「カイヤ・アーリッカがデザインした“Tuliaispurkki〟(おみやげ用缶)を探しています」というお知らせが掲載されました。
カイヤ・アーリッカがデザインした「Tuliaispurkki」をお持ちですか? もしかして、たくさん集めていらっしゃいますか? ぜひ、私たちにその缶をお貸しください! 私たちは、2023年9月9日から2024年1月7日までヘルシンキのTaide Haaliで開催されるカイヤ・アーリッカ展で展示するトタン製の三日月の模様の「Tuliaispurkki」を探しています。……


1968年、カイヤは円筒のTuliaispurkkiの収納缶をデザインしました。フィンランドでは、多くの人が夏になるとサマーコテージへ出かけそこでは、食品をネズミから守る必要があります。
1970年代、ヘルシンキのヘルトニエミ地区にあるフィンランドの工場「G. W. Sohlberg(GWS)」は、アーリッカの収納缶ために稼働しました。
収納缶の柄には、1960年代のストライプ柄「Riemuraita」、1970年代の「Kukkaset」とさまざまなラインやストライプ模様、1980年代の植物をモチーフにした「Niitty」などがあります。

カイヤは、1946年から1949年までハメーンリンナのEster Perheentupa(エステル・ペルヘーントゥパ)の織物学校で学び、1951年から1954年までヘルシンキのアテネウム美術館の工科芸術学校のテキスタイル科で学びました。
1955年、若手デザイナーとして、ソメロ教会のために、kukkakevät「クッカケヴァト(花の春)」というタイトルのリヤ織りのタペストリーをデザインしました。
この作品は現在も、ソメロ教会で使用されているようです。カイヤ・アーリッカ展のためにソロメ教会が貸し出しました。


フィンランドはマリメッコやムーミンだけではありません。オリジナリティあふれた商品を作り続けている老舗ブランドがまだまだあります。

aarikka
https://www.aarikka.com
Kaija Aarikka展
コメント
aarikka(アアリッカ)というブランドと初めて出会いました。
収納缶は今も販売しているんでしょうか。こんなすてきな缶でいろんな食料品を保存して、「見せる収納」を実践してみたくなりますね。
よししんさん、コメントをありがとうございます。
フィンランドのアアリッカのオンラインストアでは、今も、三日月柄の収納缶を販売していることを確認できました。
高さ17cmものが21€、日本円で3300円くらいでしょうか。
色合いは、当時のはっきりしたものではなく、やさしい黄色と水色でした。
ぜひ、「見せる収納」にチャレンジしてみてください!