フィンランドの夏至「Juhannus(ユハンヌス)」

夏至祭 Juhannus(ユハンヌス)」

フィンランドでは夏至をお祝いするお祭りがあり、Juhannus(ユハンヌス)といいます。
夏至は、一年でいちばん日照時間が長く、フィンランドではこの日からがはじまるとされています。

夏至前夜には、kokko(コッコ)という焚き火をたき、悪魔祓い、豊作や夫婦の幸福を祈るだそうです。コッコは日本でいうところの、どんど焼きのようなものでしょうか。

フィンランドでは毎年、6月20日から26日までの間の土曜日がユハンヌスとなります。
今年は、2024年は6月22日(土)でした。

フィンランド人の友人から、Juhanustaika(ユハンヌスタイカ=夏至の魔法)を教えてもらいました。たくさんあるそうなのですが、一番のお気に入りは、

「夏至に7輪の花を枕の下に置いて寝ると、未来の旦那様の夢をみる」

というものです。乙女な魔法ですね。かわいい!!ほかにも、
「コッコの煙が流れてくる方向にいる人は、間もなく結婚します」や
「夏至の夜に屋根にくつを放りなげ、つま先が向いている方向に引っ越しをしなければなりません」
などなど。

Juhannus(ユハンヌス)」、勝手なわたしの勘違い

わたしは、夏至前夜にはコッコすることが、フィンランド全土行われる伝統的な行事かと思っていました。しかし、今年になり、南ポフヤンマー県出身のフィンランド人から、自身の生まれ故郷ではコッコはしないということを聞いたのです。驚きました!
ユハンヌスタイカを教えてくれたヘルシンキ出身の友だちもこのことは知らず、とても驚いていました。

考えてみれば、日本よりやや小さい国土面積のフィンランド。日本も地域によって伝統行事に違いはありますからね。

今回の旅行では、夏至祭前に友達のお母さんに会うために、南ポフヤンマー県最大の都市、セイナヨキに行きました。
ペラセイナヨキ在住のお母さんにも聞いたところ、やはりコッコはしないというのです。
やっぱりそうなんだ!驚愕!!
ペラセイナヨキでは、夏至にとくに何かするということではなさそうです。
イースターのほうが盛大にお祝いをするとのこと、コッコもそのときにするとか。

フィランド人の夏至の過ごし方は、夏小屋に行って、サウナに入って、コッコをたいて……と、全フィランド人がこのような過ごし方をするわけではなかったのですね。

わたしの勝手な勘違いでした。

ヘルシンキで過ごす「Juhannus(ユハンヌス)」

びっくりな話が頭から離れないまま、ヘルシンキで夏至の時間を過ごします。

夏至祭、夏至祭前夜は国民の祝日で、図書館、博物館、美術館、お店などは1日お休み、午後から休みというところが多いです。
2016年に夏至時のフィンランド旅は、旅行会社に手配していただいたのですが、旅行会社の担当者にも、「夏至時はお休みのお店が多いので、旅行の日程に入らないようにするといいですよ」とアドバイスをいただきました。

下の写真は、2016年に、セウラーサーリフォークダンスを楽しむ人々お花の冠をつけた女の子コッコ夏至祭のポールなど夏至前夜の光景です。

今年は、船からコッコを見ようとクルーズ船の席を予約しました。
船内でのディーナーコースはすでに売り切れていたので、外デッキの席を予約しました。

しかしこの外デッキがまあ、苦行でした。きっと寒いだろうと思い、インナーダウンを着込みその上に帽子付きブルゾンを着て行きましたが、6月下旬の北の国フィンランドの夜、海風がさらに寒さを助長し、この装備ではしのげませんでした。要ヒートテック、手袋、マフラー!!
ただそこは船会社も用意がよく、イケアのブランケットを貸してくれました。

寒さに続き、さらに悪いことが……。
セウラサーリのほか、いたるところでコッコを船から見られるはずでしたが、ひとつも見られずにフィンランド湾の寒風に耐え、2時間半の船のお散歩を終え、マーケット広場に戻ってきました。

じつはこの日、ウーシマー県(ヘルシンキあたり)、南西スオミ県(トゥルクあたり)、カンタ=ハメ県(ハメーリンナあたり)の3県に、野火警報がでてしまったのです。そのため、コッコは禁止、行われませんでした。
前日まではウーシマー県に野火警報はでていなかったので、残念でした。
ただ、フィンランド湾で一年で一番長くでていた太陽が沈むとても美しい光景を見られのは、とても貴重な経験でした。

yleによると2019年から、ウーシマー県、南西スオミ県、カンタ=ハメ県ではコッコは行われていません(2021年のウーシマー県以外)。
今後どこでコッコが見られるのでしょうか? 今年この3県以外は山火事警報はでていないものの、セイナヨキがある南ポフヤンマー県ではコッコの慣習がありません。


コッコを見ることはできませんでしたが、クーイン号での船のお散歩は、スタッフがとてもフレンドリーで、寒さを除いては、美しい光景も見ることができましたしユハンヌスクルーズを楽しく過ごすことができました。

船内では、軽食やお酒、コーヒー、紅茶などの飲み物の販売もあり、外デッキのお客さまも利用できます。むしろ、スタッフの方がひっきりなしにご用伺いにきます。

寒さに耐えながら船上で飲んだ温かい紅茶が、身に染みまたりました。

【来年、フィンランドに夏至祭に行く方へ参考になれば幸いです】
 1 コッコをやるかやらないかは当日の気象状況しだいです。
 2 フィンランドでは地域によって、夏至祭に対する思いに温度差があり
  ます。
 3 コッコが見れずとも夏至祭の雰囲気を味わいたいなら、セウラーサー
  へ。
 4 夏至祭の雰囲気は味合わなくてよい方にとっては、国民の祝日でお店
  が閉まっているところが多いです。夏至祭翌日も、名残りでお休みのお
  店が多くありました。
 5 2025年の夏至祭前夜は6月20日(金)、夏至祭は21日(土)多分。

Royal Line
https://royalline.fi/en

【利用したクルーズ】
Royal Line:Midsummer cruise to the waters of Seurasaari m/s Queen
デッキ席:34€(1人)
発着:マーケット広場
すでに来年の夏至のクルーズの案内がでていました。2025年6月20日(金)36€。

クルーズ船を運行する船会社はたくさんありますが、
今回利用した会社を紹介します。

来年、夏至祭でクルーズの利用を考えている方は、お値段ははりますが、
船内でのディーナークルーズコースをおすすめします。

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