4月上旬、長野県浅間温泉を訪れました。宿泊先は、小柳というホテルです。
新潟県の里山十帖などを運営している自遊人が、貞享3年(1686年)創業の老舗旅館小柳を、松本十帖と小柳のふたつの宿に再生しました。同じ敷地内にふたつのホテルがあります。
浅間温泉の歴史
浅間温泉は江戸時代に、初代松本藩主の石川数正によって御殿湯が造られ、松本城主のお殿様が通うようになりました。やがて城主や臣下の武士たちの別邸が建ち並び、「松本の奥座敷」と呼ばれるようになりました。
明治時代には、竹久夢二、与謝野晶子、正岡子規、伊東左千夫などの多くの文化人が、この地を訪れています。
歌碑があるので、散歩がてら文化鑑賞はいかがでしょうか。
小 柳
小柳と松本十帖のレセプションは、Cafeおやきと、コーヒーというカフェにあります。
ホテルには駐車場がないため、車で来た際にはカフェの横にある駐車場に停めます。
駐車場からホテルまで徒歩3分ほどですが、車で送迎もしてくれます。
カフェに入ると2階に案内され、ウエルカムおやきとウエルカムドリンクを出してくれます。
おやきは長野県のソウルフードのひとつです。
小 柳
1)小柳に併設のお店
小柳の建物には、浅間温泉商店という生活雑貨や食品を扱っているお店と、その一角にALPS BAKERY(アルプス・ベーカーリー)というパン屋さんがあります。
浅間温泉商店の商品は、“おみやげ”というよりも、“ギフト”という感じのアイテムが揃っています。おしゃれな生活用品や食品がところ狭しと並んでいます。
朝食にでたシリアルなど松本十帖オリジナルグッズや、長野県にまつわる商品もあります。
浅間温泉商店、ALPS BAKERYともに、宿泊客ではない方も利用できます。
[浅間温泉商店 ] 9:00-19:00
「ALPS BAKERY」10:00頃-19:00(水曜・木曜休)
2)ルームツアー
小柳6階のジュニアスイートは角部屋で、壁は白く窓側の天井も白く、明るく開放的な部屋です。
琉球畳と障子をあつらえたモダンな広々としたスペースに、あなぐらのような書斎(おこもり空間)があり、開放的な部屋との対比がおもしろいです。
前回宿泊したときには、デンマークの建築家、アルネ・ヤコブセンがデザインしたスワンチェア(1958)が1脚あったのですが、今回はそれがなくなり、かわりにイギリスのアーコール社(ERCOL)のイージーチェアが2脚ありました。広い座面に包み込むような背もたれですが、座布団とクッションがないと、長時間座っていられません。ただ、和モダンな部屋に、北欧や英国の家具はとてもあっています。
家具目当てで宿泊される方は、家具が変わっていることもあるのでお気をつけください。
小柳、松本十帖ともに全室、源泉かけ流しの温泉付きです。
部屋の飲み物やおやつは、とても充実しています。外のテラスでゆっくりカフェタイムやお酒を楽しむことができます。
各階のアメニティバーにもおやつや飲み物、アイスが常備されています。滞在中に食べる分だけいただきましょう。
小柳の3階と松本十帖の1階には、コーヒーメーカーがあります。部屋にある松本十帖オリジナルタンブラーで飲むシステム。タンブラーはお持ち帰りOKです。
3)湯小屋「小柳之湯」
小柳と松本十帖の間には、宿泊者だけが入浴できる湯小屋*「小柳之湯」があります。江戸時代の湯小屋を再現しているそうです。
「小柳之湯」の湯船は4人も入れば満員、とてもこじんまりとしたお風呂です。パーソナルスペースを確保するには3人がいいところでしょう。できれば1人で独占したい、そんなお風呂です。半露天風呂で、季節の植物を眺めながら温泉を楽しむことができます。
部屋にある木の湯桶にタオルなどを入れて、浴衣姿で湯処に行くのが浅間温泉スタイルだそうです。
*湯小屋:源泉を貯めておくための場所。一晩寝かせ温度調節する。
4)薪火レストラン 三六七(367)
夕食と朝食は、薪火レストラン三六七(367)でいただきます。
大きな薪火があり、そこで焼いた料理をいただくことができます。安曇野放牧豚、地鶏の真田丸、佐久鯉など信州ならではの食材をいただくことができます。
朝食は、「ALPS BAKERY」の自家製パンの盛り合わせ、安曇野放牧豚ソーセージプレート、季節の野菜などヨーグルト、シリアル、ジュース、ハーブティーなどです。
5)Book store 松本本箱
松本十帖の1階には本屋、Book store 松本本箱があります。ここは宿泊客以外も利用できます(予約制)。
Book store 松本本箱各所には、おこもり空間や北欧のデザイナーの個性的な椅子などがあるため、ゆっくりと立ち読みならず、座り読みができます。
「おとな本箱」「こども本箱」エリアは以前の大浴場を利用しているため、大きな浴槽があります。
「こども本箱」の大浴場は、浴槽にボールが入ったボールプールになっています。
また、絵本などが陳列されている本箱が迷路のように配置されていたり、風呂桶がペンダントライトのカサになっていたり、遊び心いっぱいの空間になっています。
「おとな本箱」ではバータイム(19〜22時)に、読書しながらお酒をたしなむこともできます。このエリアにはおこもり空間があります。
薪火レストラン三六七(367)の棚にも、本が並んでいます。レストランの中なので、食の本が多かったです。
おわりに
松本十帖の特徴は、ブックホテルであることです。本は1万冊を取り揃えているようです。本のラインアップは人それぞれ好みもありますが、可もなく不可もなく、エッセー、入門書、小説、長野県のガイドブック、絵本など、あらゆるジャンルがまんべんなく取り扱われています。
小柳から松本十帖へは一度外に出なくてはなりませんが、松本十帖への小道の脇には様々な植物が植っており、その道すがら季節を感じることができます。
未購入の本を部屋に持って行くことはできませんが、おこもり空間などゆっくり本を読むスペースがあるので、部屋に持ち込めなくとも、誰にも邪魔されずに読書を楽しむことができます。
家具に興味のある方も楽しめるホテルです。
今回宿泊した小柳のジュニアスイートは主にフィンランドの建築家、アルヴァール・アアルトの家具でしたが、ほかの部屋では、デンマークの家具デザイナー、フィン・ユールやハンス・J・ウェグナー、日本のデザイナー、新居猛のニーチェアなどを楽しめます。
松本十帖・小柳
【Home Page】
https://matsumotojujo.com
【アクセス】
アクセス方法は、松本十帖のホームページに詳細な説明があります。
https://matsumotojujo.com/journal/access/20569
おやきと、コーヒー(レセプション)〒390-0303長野県松本市浅間温泉3-15-17
Google Map:https://maps.app.goo.gl/wTuGws4jwwPPDnJH7
松本十帖・小柳
〒390-0303 長野県松本市浅間温泉3-13−1
Google Map:https://maps.app.goo.gl/dzFRAMDa5Ysi7NhV7
【チェックイン・チェックアウト】
〈チェックイン〉15:00(手続きは12:00より可能)
長野県松本市浅間温泉3-15-17(cafe おやきと、コーヒー)
〈チェックアウト〉11:00
【泉 質】
アルカリ性単純温泉、源泉かけ流し
効能:肌が「すべすべ」する感触があるのが特徴
外国からのお客さまが多かったです。
コメント
[…] まず、ALPS BAKERYは浅間温泉商店内に併設されており、生活雑貨や食品を扱う店舗と一緒に運営されています。このベーカリーは、宿泊客だけでなく一般のお客様も利用可能です5。 […]